平成21年12月定例会

地域包括支援センターの拡充と支援強化について

 高齢者が住みなれた地域で安心して、できる限り自立して、その人らしい生活を続けられるように支援していく。そのために主任介護支援専門員、保健師、社会福祉士の3職種が連携して、高齢者の介護予防や介護、医療、福祉に関する総合相談を1か所で行う地域包括支援センターが平成20年4月から全国的に運営されております。本市においても現在25か所の地域包括支援センターが開設されておりますが、本市における地域包括支援センターの数は少な過ぎるのではないかと考えます。全国的にも通常人口2万から3万人に対して1か所の割合で設置されているようですが、本市の場合には、平均すると1か所当たり約5万人近い人口を抱え、多いところでは6万人にも上ると言われております。単純にさいたま市の平均高齢化率18.3%と考えても、1か所当たり9,000人以上の高齢者を抱えているわけです。市長のしあわせ倍増プラン2009でも当面1か所の創設が予定されておりますが、私はさらに大幅な拡充が必要であると考えます。中長期的に地域包括支援センターの拡充にどのように取り組むのか伺います。

また介護予防ケアプラン作成数の状況をどのように市として認識しておられるのか、地域包括支援センターの業務から多忙をきわめる原因となっている介護予防プラン作成を外して、地域支援事業と総合相談窓口に特化するという方法が考えられます。既に政令市の中でもそのような方向で行っているところがあると伺っておりますが、いかがでしょうか。

さらに、必要なサービスが受けられない高齢者が出てくる実態があります。認知症だったり、また虐待を受けている方、低所得の方もそうかもしれません。こうした方々を地域とのネットワークを生かして探し出し、サービスにつないでいく役割を期待されているのが地域包括支援センターです。地域ネットワークづくりへの支援と介護情報の提供についてもお考えを伺います。

本市の地域包括支援センターにつきましては、平成22年度からは第4期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画により1か所増設し、26か所になる予定であります。人口規模に対して地域包括支援センターの数が少ないのではとの御指摘でございますが、本市におきましては地域包括支援センターのほかに在宅介護支援センターが市内51か所に設置されておりますので、市内全域をカバーしてまいりたいと考えており、日常生活圏域の見直しにつきましては、現在の利用状況など課題を把握したうえで検討してまいりたいと考えております。

 次に、地域包括支援センターの現在の人員配置でございますが、多いところで常勤8人、少ないところで常勤3人と職員の数にかなり開きがあります。この差につきましては、一概に業務量の差とも言えませんが、平成20年度のケアプラン作成件数で多い地域包括支援センターで3,460件、少ない地域包括支援センターで667件、平均1,439件となっており、1つの要因と考えます。

 また、地域包括支援センターの業務から介護予防プランを外して、地域支援事業、総合相談窓口に特化することにつきましては、一定の要件を満たした居宅介護支援事業所にケアプランの作成を委託することができることから、この制度を活用することにより事務の軽減を図ることが可能と考えております。業務に応じてこうした制度の活用をしてまいりたいとも考えています。

 次に、地域ケアネットワークづくりにつきましては、ネットワークの中核となる機関として、地域包括支援センター、在宅介護支援センター、地区社会福祉協議会、各区の高齢介護課が一体となって取り組んでいるところです。市としては、今後到来する超高齢社会、特に単身高齢者のみの世帯の増加に備えて、地域での見守り活動の充実や地域での共助の仕組みが充実するよう引き続き積極的に支援してまいりたいと考えております。

 また、要介護認定の情報の共有化につきましては、個人情報の保護の観点から難しいと考えておりますが、ケアプランを作成するうえで必要な情報につきましては現在も情報提供しており、今後も同様の対応をしてまいりたい。

小規模多機能型施設の整備推進について

 小規模多機能型居宅介護施設は、地域に根差した小規模な施設であるため、同じスタッフによって連続性のあるケアを利用できるという利点があり、通所、訪問、宿泊の3つのサービスを同時に提供することで、地域での生活を続ける在宅中心の介護を支援する施設です。しかしながら、小規模ゆえの採算性の悪さが参入の障壁となって、全国的に設置数が伸び悩んでいると聞いています。事業者の参入を促すために独自の取り組みとして、認知症対応型共同生活介護施設の公募に際して、小規模多機能型居宅介護施設を併設する、そういった場合を優先する。また、算定基準を設けて、市としての独自加算を行う。市が事業者団体を組織し、事業者間の連携や経営の安定のための支援を行うなどの取り組みを行っているようでございます。さいたま市としても小規模多機能型居宅介護施設の整備のために何らかの支援策を実施していくべきと考えますが、見解を伺います。

小規模多機能型居宅介護は、第3期の計画では7か所の整備目標に対しまして5か所の整備、第4期の計画においては10か所の整備目標を掲げております。第5期の最終年度である平成26年度までに26の日常生活圏域に1か所ずつ整備する目標となってます。

 小規模多機能型居宅介護は、通いを中心とし、訪問や泊まりを組み合わせ、24時間切れ目のないサービスを提供を行うことにより、在宅での生活の継続を希望する中度、重度要介護者の社会的ニーズを支えるサービスとして導入されましたが、採算がとれないなどの理由で参入する事業者が少なく、全国的に整備がおくれている状況となっております。

 このような中、本市におきましては、地域密着型サービス運営委員会において小規模多機能型居宅介護の整備について協議がなされ、整備目標を達成するための方策といたしまして、独自報酬の導入も含め検討が行われているところです。

 また、認知症対応型共同生活介護、高齢者グループホームともいいますが、その公募に際しましては、御指摘のように神戸市と同様に小規模多機能型居宅介護を併設する応募を優先する選定基準としております。今後につきましては、小規模多機能型居宅介護の整備推進に向け、さらに他市の先進事例なども参考にしながら整備目標の達成に努めてまいりたい。

介護ボランティア制度の導入について

平成19年5月から介護保険制度における地域支援事業として、自治体の裁量で介護ボランティア活動が可能になっています。全国的には30近くの自治体に取り組みが広がってきているようです。具体的には、介護ボランティアの活動実績に応じてポイントなどを交付、ポイントは介護保険料や介護サービス利用料に充てることができる。実質的な保険料負担軽減にもつながります。しかも、何より高齢者の皆さんが活動を通じて社会参加し、地域貢献ができ、自身の健康増進を図ることになる、いわゆる介護予防にも役立っているということです。人生経験豊富な高齢者の皆さんが、家に閉じこもらず、積極的に社会参加してくれることは市民と行政の協働という観点からも非常に望ましい方向性であると思います。人材バンクなどへの登録している方も多いでしょうが、需要と供給のミスマッチがあり、必ずしも十分に活躍の場が確保されているとは言い切れない。その点、介護現場には人手不足が常態化しており、潜在的な需要をうまく掘り起こせばかなりの活躍の場ができると思われます。

 例えば今年6月から特典つき介護サポーター制度を導入した福井県福井市では、話し相手、散歩や移動の補助、お茶出しや配ぜんなどの補助、芸能披露、レクリエーションの手伝い、洗濯物の整理などに対してポイントを付与し、年間5,000ポイント、5,000円分まで換金可能としております。介護施設の利用者にとっても、サポーターがいると話し相手になってもらったり、楽しく過ごすことができると好評のようでもあります。本市においても介護現場のニーズと先進事例を研究して、介護ボランティア制度の導入に向けた前向きな取り組みを期待いたしますが、御見解を伺います。

介護ボランティア制度につきましては、高齢者がボランティア活動を通じて社会参加や地域貢献ができるとともに、その活動を通して介護予防の効果が期待できるものと認識しているところです。本市では、シニア世代が長年培ってきた経験、知識、技術などを生かした社会的な活動ができるようさまざまな場や機会、情報提供の充実を目的としたシルバーバンク事業を昨年4月に立ち上げたところです。

 また、市社会福祉協議会では、協力会員が在宅福祉サービスを有料で提供いたしますあおぞらサービスを実施しており、さらに民間ボランティア団体による有償、無償のボランティア活動も、それぞれの地域で活発に行われております。このような状況を踏まえ、介護ボランティア制度の導入に当たりましては、シルバーバンク事業やあおぞらサービスなどの既存事業の育成に努めますとともに、市といたしましては介護ボランティアと同様の目的で設置いたしましたシルバーバンクとの一体的運営も含め、調査研究してまいりたいと考えております。

ネットいじめ対策の充実について

 全国的に広がり、深刻化しているインターネットや携帯電話を利用したネットいじめ等に対してしっかりとした監視体制をとるなど継続した対策が必要なことは言うまでもありません。先日会派で宮崎県のネットいじめ対策推進事業である目安箱サイトの運用について視察してまいりました。

 宮崎県では、本年9月1日から目安箱サイトを開設しました。目安箱サイトでは、児童生徒、保護者、学校、地域それぞれから問題のあると思われるサイトの通報やネットいじめについての相談を受け付けます。いじめにかかわる本人からの相談には、まず電話相談窓口を紹介して相談するよう促します。また、有害サイトの情報について、学校名、氏名が特定できる情報は県教育委員会から市長などを通じて学校に情報を提供します。また、削除の方法をメールで本人にお知らせし、御自分で削除要請ができるようにしております。さらに、県教委の学校政策課を中心に県警サイバー犯罪対策室、民間ICT業者、大学関係者、教育相談機関、PTAなどとの連携体制をつくり、ネットいじめ対策会議を実施しております。

 本市におきましても、政府の補正予算を活用して、この9月からネットいじめ等を監視する事業がスタートしております。2人の情報教育支援員の方が1日6時間にわたって、いわゆる学校裏サイトなどの有害情報を監視しております。しかし、サイトの書き込みは、いつ発生するか、またいつ炎上するかわからない、そういった性質のものですから、監視を継続することが大切になります。また、本市においては、問題のある書き込みの削除もそこで行っております。これまでに蓄えた知識と経験を生かして、次の段階では宮崎県のように通報者に対して削除方法をお知らせして、自分で削除要請ができるなどにしていくことも必要かと思います。

 教育委員会では、学校と連携し、ネット上の誹謗中傷等への対応を行ってまいりましたが、本年9月より情報教育支援員、通称ネット安心キーパーを2名配置いたしました。ネット安心キーパーは、学校非公式サイト、いわゆる学校裏サイト等のいじめにつながるおそれのある書き込みや画像などを監視しております。9月から11月までの3か月間において、さいたま市立小中高、特別支援学校164校すべてについて、学校裏サイト等の検索を行い、約1,300件の児童生徒の個人情報や画像などを発見し、そのうちいじめにつながると思われる12件について、サイト管理者に削除要請を行いました。

 今後のネットいじめ対策につきましては、各学校に配付したDVDなどを活用して、携帯電話の安全な使い方やインターネットの正しい利用などについて学ぶ情報モラル教育を一層推進し、児童生徒が加害者にも被害者にもならないよう、そのような心と態度を育ててまいりたいと考えております。

 さらに、携帯・ネットアドバイザー制度を平成22年度までに創設してまいります。そして、学校裏サイト等の継続的な監視と、いじめにつながるおそれのある書き込みや画像に対する削除要請を引き続き行うとともに、得られた情報を有効に活用しながらネットいじめ対策の充実を図ってまいります。

給食ワゴン運搬用リフトの整備促進について

 教育環境の整備、学校の安全という観点から、給食ワゴン運搬用リフトの整備推進について伺います。子どもたちに学校生活において一番楽しみにしている時間を聞けば、ほぼ給食の時間と予想されます。バランスのとれた栄養をとることや友達と楽しい雰囲気で食事をすることなど学校生活に潤いを生むなどの給食の時間の持つ大きな効果はだれもが認めることと思います。

 現在学校においては、耐震化工事の前倒しや岩槻区における給食調理室の整備など精力的に取り組んでいただいてますが、もう一つ懸案として給食ワゴン運搬用リフトの整備を考えていただきたいと訴えます。児童が安全に食缶などを教室まで運べるようにしなくてはいけないと思います。児童が熱くて重たい食缶を運ぶときに、転んだり、こぼしたりすれば、大きな事故になりかねません。児童による食缶などの持ち運びで一番の問題点は、足元が見えにくいということです。市内には、全小学校の3分の1にもわたる33の小学校でいまだに児童が食缶などの持ち運びを行っている現状があります。区によっては、すべての学校でワゴン置き場のスペースがないためにワゴンが使えない、あるいはリフトが完備されていないため、階段も児童が食缶を持って運んでいる。このような状況にあります。これを改善するために、計画的に給食ワゴン運搬用リフトとワゴンプールの整備を進めるべきと思いますが、御見解を伺います。

さいたま市の市立小中学校では、給食をすべての階へ運搬するには、給食ワゴン運搬用リフトと調理員が一緒に乗ってワゴンを運搬するエレベーターの2種類がございます。給食ワゴン運搬用リフトにつきましては、さいたま市では比較的早い時期から学校給食を提供していた地域、給食室と給食センターを併用して給食を提供していた地域、すべての給食を給食センターから提供していた地域など、もともと給食室の配置状況が旧市ごとに大きく異なっていたため、地域によって違いがあるのが現状でございます。

 市立小中学校159校のうち、給食ワゴン運搬用リフトが設置されている学校は136校、未設置の学校も23校ございます。しかしながら、これらの給食ワゴン運搬用リフトが未設置の学校でも、実際にはリフトのかわりに調理員がエレベーターを使用してワゴンを運搬しております。議員御指摘のとおり校舎の構造上、一部の教室ではどうしてもリフトまたはエレベーターが利用できない学級がございます。その場合には、児童生徒が教員と一緒に安全に配慮しながら教室まで運搬している現状がございます。給食の運搬につきましては、議員お話のようにリフトによる運搬が望ましいと考えられますので、今後学校施設の大規模改修や新築、建て替えなどをする機会に学校の実態に応じて給食用ワゴン運搬用リフトの整備を進めてまいりたいと考えております。危険が予想される場合、おそれがある場合には直ちに対応してまいりたいと考えております。