平成20年6月定例会

学校保護者相談室の設置について

 市が今年度創設する学校法律問題相談制度は、大きな一歩前進であると評価いたしますが、あくまでも保護者からの理不尽な要求などに対して学校や教師の側に立った解決を目指すものと考えられます。これに対して、学校側の不適切な対応の是正など保護者として当然の要望や子どもの教育に関して、どこに相談してよいかわからないなどの場合に、子どもや保護者の側にも立った解決を支援する第三者機関として学校保護者相談室の創設が必要と考えます。

 学校保護者相談室設置の利点としては、まず問題への適切な早期対応ができることがあげられます。病気の場合でも早期発見、早期治療が有効でございますが、教育問題においてもこじれたり、解決に時間がかかったりするケースでは、初期対応のまずさがあげられることが多いと言われております。学校保護者相談室では、専門性のある相談員がはじめに対応できる点が重要なポイントです。学校や保護者、地域のニーズと時代の要請をとらえ、未来を見据えた教育施策の推進に有効な施策と考えますが、御見解を伺います。

児童生徒の教育に関する保護者の皆さんからの相談につきましては、全市立中学校に配置しているさわやか相談員やスクールカウンセラーが保護者の側に立ちさまざまな相談に親身になって応じております。市立小学校につきましても同様に電話相談をはじめ、学区の小学校へさわやか相談員が訪問して相談に応じております。平成19年度につきましては、保護者の皆様の延べ約4,700件の相談があり、このことからもさわやか相談室が保護者にとってすぐに相談ができる身近な存在になっているととらえております。

 また、教育委員会では、市内3か所の教育相談室、特別支援教育相談センター及び分室で専門の教育相談員が中立、公平な立場で相談に応じております。各学校では、校長をはじめとする教職員がさまざまな相談を受け、対応しております。さらに、学校や教職員等に関する御相談は、教育委員会の関係各課が誠意を持って承っております。さいたま市教育委員会といたしましては、さわやか相談室をはじめ各相談室のより一層の充実を図ってまいりたい。

「学校のアレルギー疾患に対するガイドライン」に基づく施策の推進について

 文部科学省が監修し、学校保健会が作成した学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが、この4月以降全国の教育委員会、学校などに配布され、アレルギー疾患のある子どもたちを学校でどう支えていくかという視点での取り組みを現場に促しているところです。

文部科学省のアレルギー疾患に関する調査検討委員会の報告書によると、学校が各種アレルギー疾患に対して取り組みを行っていると答えた割合はかなり高いものの、実際にアレルギー疾患で悩んでいるお子さんを持つ保護者に聞くと、こんなには対応してくれていないという声が多いのが現状です。さいたま市においては、児童生徒のアレルギー疾患の有病率をどのように把握しているのか。

 また、対応の実態はどうなっているのでしょうか。教育委員会としても特に学校薬剤師の業務が形骸化していないかどうか点検し、児童生徒の教育環境の適切な管理のために活用することが大事であると考えますが、御見解を伺います。

 また、文部科学省の報告書によると、重いアナフィラキシーを起こす子は全国に約1万8,300人います。社団法人全国学校栄養士協議会の調査によると、平成14、15年度の2年間で、学校給食が原因でアレルギー症状を引き起こしたケースは637件、そのうち約50例が命を脅かす可能性のあるアナフィラキシーショックを起こしていたということです。さいたま市においては、食物アレルギーの児童生徒はどれくらいいるのでしょうか。また、学校給食が原因でアレルギー症状を引き起こしたケースはあるのでしょうか。アナフィラキシーショックを起こした例はあるのでしょうか。さらに食物アレルギーの児童生徒に対して、学校給食などでどのような対応を行っているのか。いわゆる給食の自校給食化が進められている中で、市内のどの学校でも安心して給食がいただけるような対策を望むものです。

 また、今回、発表された学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインには、食物アレルギーでアナフィラキシーショックを起こした児童生徒に対して教職員がエピペン注射を打てることが示されております。エピペンの普及に伴って、保護者などから、担任や養護教諭など学校職員が打ってほしいという声が高まっております。反復、継続して医療行為を行う意図がないとして、医師法違反にならないと考えられる。また、人命救助の観点からやむを得ず行った行為の場合、刑事、民事等の責任が問われないと考えられるなどガイドラインに明記されております。文部科学省、学校保健会がこうした見解を掲げたことは画期的であり、教職員の不安をなくし、該当する児童生徒がいる場、学校などで積極的な対応が必要と考えますが、御見解を伺います。

アレルギー疾患を持つ児童生徒については、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギーを合わせまして、延べ約2万3,000名でございます。個々の対応につきましては、保護者から学校に提出される保健調査票に基づきアレルギーの種類や状況を把握しております。

 アトピー性皮膚炎への対応につきましては、各学校では個々の児童生徒の実態に応じて保健室などで保湿剤を塗れる環境を整備しており、さらに保健室等への温水シャワーについては新設校への設置を進めているところでございます。

 また、プールの水質管理につきましては、毎年6月に学校環境衛生の基準に基づき、学校薬剤師立ち会いのもと水質検査を実施し、適切な水質管理に努めております。

 続きまして、食物アレルギーの関係ですが、昨年度の調査ではアレルギーを持つ児童生徒は公立小中学校合わせて約2,000名でございます。学校給食が原因でアレルギー症状を引き起こした事例はございますが、アナフィラキシーショックに至るような事例の報告はございません。食物アレルギーを持つ児童生徒の具体的な対応といたしましては、本市では単独調理場を持つすべての学校に学校栄養職員を配置しており、入学時に保護者の申し出を受け、その後毎月の給食の献立について、学校栄養職員を中心に保護者や学級担任等と協議を重ね、状況に応じて除去食等を実施しているところでございます。

 今回発表された日本学校保健会発行の学校のアレルギー疾患に対するガイドラインにつきましては、その内容を学校関係者に周知するとともに、アレルギー疾患用の学校生活管理指導表の取り扱いや、アナフィラキシーショックを起こした際のエピペンの接種につきまして、現在、さいたま市4医師会と協議を重ねており、本ガイドラインをより有効に活用していけるよう取り組みを進めてまいります。

学校耐震化の前倒し実施について

 公立学校施設は、地震等の非常災害時に児童生徒の命を守るとともに、地域住民の緊急避難場所としての役割を果たすことから、その安全性の確保が不可欠です。

 さきの中国四川省大地震では、学校倒壊で多くの児童生徒が生き埋めになり、死亡した教員生徒が全犠牲者の1割を超える被害を出しました。これを教訓に、このほど学校耐震化を加速させるために、改正地震防災対策特別措置法が成立しました。予算審議で明らかにされた今年度の本市の学校耐震化率は49%とまだまだ不十分です。今回の法改正を生かして、さらなる学校耐震化率の向上が図れるよう大幅な前倒し実施を望むところですが、いかがでしょうか。すぐにも耐震化の前倒し実施をしていくための準備に取りかかるべきと考えます。本市では、平成27年度を耐震化完了目標年次としていますが、今回の法改正を踏まえ、ぜひ見直し、前倒し実施に取り組んでいただきたく考えますが、御見解をお示しください。

学校施設は、児童生徒の学習、生活の場であり、非常災害時には地域住民の緊急避難場所ともなる学校施設の耐震化は喫緊の課題として認識していますが、学校施設の耐震化に当たっては耐震診断、耐震補強設計、耐震補強工事を段階的に実施する必要があります。現在までに耐震補強設計が完了している施設につきましては、すべて今年度に耐震補強工事の予算措置がされております。今年度実施している耐震補強設計は、年度末が完了時期であり、直ちに工事に着工できないことから、すぐに耐震化率の引き上げに反映させることは難しい状況でございます。

 地震防災対策特別措置法改正については、6月11日に参議院で可決され、本日公布されたところです。学校施設の耐震化につきましては、さいたま市の耐震化実施計画に基づき、平成27年度をめどに計画的に進めているところでございますが、さいたま市におきましても国の動向を注視しながら、今後も積極的に国の交付金を活用し、耐震化事業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。

公共交通の利用促進(サイクル&バスライド)について

 駅周辺の歩道などにあふれる放置自転車は、本市においても大きな問題となっております。駅前駐輪場の確保については、市民の皆さんからの要望の強い、駅に近い場所での開設は用地確保の困難さとともに、厳しい財政運営の中で大きな予算を確保しなければならないことなどから、難しいのも事実です。そこで、駅周辺に集まる自転車の駐輪場を確保しようというこれまでの発想から、駅周辺に自転車を集中させないで済むような施策を実施していく、発想の転換が大切になっていると考えます。

 そこで、提唱したいのが、サイクル&バスライドの推進です。サイクル&バスライドとは、自宅からバス停留所まで自転車で行き、バス停付近に駐輪して、そこからバスを利用して駅などに向かう仕組みです。通勤通学でバス利用が不便な場合、どうしても駅まで自転車となってしまいます。このような現状の解決策として考え出されたのがサイクル&バスライド方式であり、この方式の駐輪場整備を進める先進事例もふえてきております。この方式を上手に利用すれば、バス停まで遠い住民の利便性向上が図られ、駅周辺の放置自転車対策、駐輪場整備コストも削減可能となるほか、マイカー通勤からバス利用への誘導促進効果も期待されます。これが成功すれば、慢性的な道路渋滞の緩和解消にも効果を上げ、CO2削減にも大きく貢献できるものと確信します。既にこの方式を導入している静岡市や宇都宮市、また自転車乗り入れ台数が都内で2番目に多いと言われているJR三鷹駅を抱える三鷹市でも導入されております。どこも利用料が無料で、あいていればだれでも利用できるのが利点です。ぜひこれらの事例を研究して、バス事業者や地域住民の皆さんとの連携も図りながら、さいたま市らしいサイクル&バスライドの方式を実現していただきたいと思いますが、御見解を伺います。

サイクル&バスライドにつきましては、バス停付近の放置自転車の解消はもとより、バス交通の利用促進による駅周辺の放置自転車の減少や環境負荷の低減等に寄与するものと考えております。現在、本市では、路線バスを活性化し、バスへの利用転換を推進することを目的に、バス事業者に対する助成制度を設けており、バス停での駐輪場整備についても助成の対象となっております。しかし、バス事業者としては、バス停付近には駐車場を整備するための用地が少ないこと等により、駐輪場の整備は進んでいない状況にあります。今後サイクル&バスライドが有効となる地域の選定、駐輪場用地の確保や駐輪施設の整備事業費について、バス事業者と本市とのかかわり方を含め、他市の先進事例をもとに調査研究してまいります。

自然緑地の拡大・活用について

 CO2削減については排出量を減らすということとともに、その吸収源となる緑を確保することが大きな課題となっております。緑の保全制度として、さいたま市では独自に、さいたま市みどりの条例を制定して、これまでも樹林地などの緑の保全に努めてきたところです。しかし、環境の変化は早く、市民のニーズも一様ではありません。これらの変化に対応して緑地保全制度をさらに強化すべき時期に来ているものと感じます。

 具体的には、緑地を保全してほしい、緑と親しめる環境づくりに取り組んでほしいとのニーズの高まりとともに、住民の皆さんの中には、木の枝が伸び過ぎて住宅に危険を及ぼしているとか、ごみの不法投棄場所になって困るとか、放火や犯罪が心配とか、落ち葉の処理が大変などといった不安や不満の声が多い事実もあります。まちの中に緑を長く残していくためには、こうした両方の声にこたえていくことが必要だと考えます。所有者の御協力を得て、全体の指定面積が減少しないようにしながら自然緑地化の推進を図るという難しさもありますが、指定要件などの再検討も含めて、ぜひとも進めていただきたいと考えますが、御見解を伺います。

 現在本市では、保存緑地の中で地元の要望を受け、ボランティア団体や地元自治会等の市民協働による管理体制が整いました場合には、土地所有者の方の御理解と御協力をいただいたうえで、自然緑地としての指定と整備を行い、開放し、自然観察や散策の場として親しんでいただいておりますことから、引き続き新たな自然緑地の指定に努めてまいります。特に貴重な保存緑地につきましては、公有地化することにより永続的な保全を図っております。御指摘のとおり、保存緑地から自然緑地に移行いたしますと、市が適切な管理を行うことになりますが、市の保存緑地は336地区、55.5ヘクタールあり、またすべての土地所有者の方が公開型の自然緑地を希望しているものではありませんことから、自然緑地の大幅な増大は難しいことと考えております。

 市内にあります緑地等は、かけがえのない地域の財産であるとともに、CO2削減にも寄与するものでありますことから、市民の皆様に御協力いただきながら、指定要件の見直しを視野に入れ、自然緑地の拡大を推進するとともに、その保全、活用に努めてまいります。